にんにくのにおいにはどんな効果があるか

にんにくのにおいの中でも特に、食べたあとの臭いは悪臭と言ってよいほど強力で、他人に取ってみれば嫌なものです。ただし、にんにくを食べるのが自分だったらどうでしょうか。食欲を誘う臭いに魅力を感じませんか?

このようににんにくの臭いは口臭として人に嫌われる一方で、食べる際には好まれる、相反する特徴があります。こちらではにんにくの臭いの効果に迫っていきます。

にんにくの臭いにはこんな効果があった

にんにくが放つ臭気は、にんにく本来のにおいではありません。にんにくが持つアリインという細胞と、アイリナーゼという酵素が結びつき、アリシンという化合物が作られた場合に臭いが発生します。

にんにくの皮をむいている最中はほんのりとしたにんにくの香りでも、包丁で切り分ける時や、すりつぶす時、またにんにくを食べる際に口の中で噛んだときなどは、より強いにんにく臭を感じます。

この「いやな臭い」は、植物として生存競争にさらされる中で、にんにくが人間をはじめとする動物たちから身を守るための機能と言われています。いわゆる種の保存、植物として生き残っていくために身に着けた能力です。人によってはにんにくのおいしさを愛し、好んで食べる人がいる一方で、臭いを嫌がって自分からにんにくを遠ざける人もいます。シカやサル、イノシシなど野生動物はにんにくを避ける傾向にあるようで、食害も他の農作物に比べれば少ないようです。にんにくの臭いを避けているわけですね。

ニンニクの効果と臭いの関係とは

にんにくを食べれば元気が出たり、精力がついたりと言った効果があるといわれています。その理由はにんにくのにおい成分アリシンです。アリシンにはビタミンB1の吸収を助ける働きを持っています。ビタミンB1は水溶性のビタミンですぐに排出されてしまいますが、アリシンと結びつくと、脂溶性のアリチアミンに変化します。アリチアミンによって身体にビタミンB1が効果的に吸収されるようになります。ビタミンB1は食べ物などによって体内に摂り込まれた糖類の代謝を促して、体内のエネルギー生成を支える働きがあり、にんにくにも含まれていますから、結果としてにんにくを食べるだけで疲労回復効果をもたらしてくれるというわけです。

臭いが消えても効果はあるのか

臭いのもととなるアリシンは、疲労回復効果以外にも様々な効果があります。

・殺菌作用

風邪のウイルスだけでなく、ポツリヌス菌、結核菌、ブドウ状球菌、赤痢菌、ジフテリア菌、チフス菌、淋菌など様々な細菌に対して抗菌効果が認められているほか、70種類以上の感染症に対する抑制効果があります。

・ナチュラルキラー細胞の活性化(がん抑制効果)

アリシンが分解されてできるにおい成分にはがん細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃し、身体を守るNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化を促す効果もあります。

また最近の研究ではにおい成分の一つ、ジアリルトリスルフィドにはがん細胞の分裂を阻害する働きがあることがわかり、そのがん抑制効果を認めています。

・コレステロールを減らす

アリシンが分解される過程では、さまざまな物質が発生しますがアリルシステインなどの含硫アミノ酸もその一つです。含硫アミノ酸には血中の善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。

・心筋梗塞や脳梗塞の予防

アリシンは体内でメチルアリルトリスルフィドという化合物にも変化しますが、この化合物には、血小板の凝集を遅らせる効果あるということが最近の研究でわかってきています。

血小板が凝集すると、いわゆる血管が詰まりやすくなり動脈硬化となりますが、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などの原因になりもなるため決して軽視はできません。

ちなみにこのアリシンの生成を少なくする調理方法を取った場合、にんにくの効果はその分少なくなりますが、アリシンを完全に消すことはできないため、それなりの効果は期待できます。

ニンニクの効果的な食べ方

こうした身体への好影響を期待した場合、にんにくの食べ方はなるべく「においを増やす」食べ方にしなければなりません。なぜならアリシンが多く発生すればその分身体には良い影響があるからです。もちろん食べ過ぎは逆効果になるので、ほどほどが好ましいでしょう。

目安は1週間に2,3片で十分だと言われています。食べ方は、にんにくをスライスして油で揚げる方法です。刻みにんにくの炒め物でも十分に効果が期待できます。にんにくの臭い成分を油で包み込み、体内で効果を発揮できるような調理法がベストです。無臭ニンニクや、電子レンジで加熱して調理する方法ではアリシンが減ってしまいますから、身体への効果を期待する意味では避けたほうがよい調理法です。