黒にんにくのもつ効果・効能について

黒にんにくは、白にんにくを発酵・熟成させたものです。納豆やヨーグルトなどの多くの発酵食品のご多分に漏れず、黒にんにくにも魅力的な健康効果が存在しています。今回は、そんな黒にんにくの効果・効能についてご紹介していきます。

黒にんにくとは

黒にんにくとは、簡単にいうと、白い普通のにんにくを発酵・熟成させたものです。にんにくを1ヶ月程度、65-70℃、湿度30%程度のきちんと管理された室内に置いておくことでできあがります。

黒にんにくの黒色は、アミノカルボニル反応と呼ばれる、酵素が関与しない褐変反応を通して産生されます。にんにくが持っているアミノ酸と果糖を使用して、黒色の成分を作り出します。醤油の黒色や、パンの焼き色もこの反応と同じ反応でできています。

黒にんにくには芳醇な甘さがあり、最初は富裕層にのみ食べられていた食材でしたが、その味の良さと流通網の広がりもあり、世界中で食べられるようになったと言われています。

黒にんにくと白にんにくとの成分の違い

通常の白いにんにくと、今回紹介している黒にんにくとは、含まれている成分が異なります。白にんにくが持っている、疲労回復などに効果があるとされているアリシンは、黒にんにくになると少なくなり、逆に抗酸化作用を持つs‐アリルシステインは多くなるとされています。以下の表に、主な成分の比較を示しました。この表からも分かるように、アリシンは黒にんにくになると減ってしまうようですが、その他の成分はおおむね多くなる傾向にあるようです。

  白にんにく 黒にんにく
アリシン(mg/g) 2.9 0
s‐アリルシステイン(mg/g) 0.32 5.84
カルシウム(mg/100g) 5.0 36.6
リン(mg/100g) 40 80
たんぱく質(g/100g) 2.2 12.5

黒にんにくの効能

ではここからは黒にんにくを摂取することで得られる効能について解説していきます。

コレステロール・血中脂質の改善効果

黒にんにくには、血中のコレステロールや中性脂肪を改善する効果があるとされています。このことに関する論文が、2011年に「Journal of Life Science」に掲載されました[1]

この研究は、高脂肪食を与え、わざと高脂血症(高コレステロール血症や高トリグリセライド血症を含む)にしたラットを対象として行われました。それらのラットに黒にんにくのエキスを入れた飼料を6週間にわたって食べさせ、その後の血液中脂質パラメータを比較しました。ラットは黒にんにくのエキスの量を含んだ飼料を食べさせられたグループと、飼料に黒にんにくエキスの入っていないグループとに分けられて観察されました。

その結果、黒にんにくエキスを与えられたグループでは、与えられていないグループに比べて有意にLDLコレステロールと中性脂肪の値が低下してしました。また、俗に善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールは、黒にんにくエキスを与えられたグループで有意に高くなっていました。

これらの結果から、黒にんにくは血中のコレステロールや中性脂肪を改善する効果があることが示唆されました。血中のコレステロールや中性脂肪は、心臓病や脳血管疾患の大きな原因の1つです。黒にんにくを摂取することで、これらの疾患を予防する効果が期待できるといえるでしょう。

抗酸化作用

黒にんにくの持つ抗酸化作用は、白にんにくの十倍以上だと言われています。それは、黒にんにくに含まれるs‐アリルシステインの量が増えたことに起因します。抗酸化作用は白にんにくにはない黒にんにくに特有の特徴なのです。

黒にんにくのもつ抗酸化作用については、2009年に論文において発表されています[2]。これは、2型糖尿病を誘導させたラットにおいて、黒にんにくの粉末を摂取させ、肝臓における過酸化物や、過酸化物質を除去する働きのある酵素の働きを測定した研究です。

この研究では、黒にんにくを摂取したラットの対照群として、通常の飼料を摂取したラットと、白にんにくを摂取したラットとを用意し、同時に観察しています。その結果、黒にんにくを摂取したラットでは、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼなどの抗酸化作用のある酵素の働きが、その他のラットと比較して活発になっていることがわかりました。

また、肝臓内における過酸化物質の生成量についても、黒にんにくを摂取したラットで少ないことが分かっています。これらの結果が、黒にんにくに抗酸化作用のあることを示しています。

活性酸素などによる酸化ストレスは、脳卒中や心臓病、糖尿病の合併症を初めとする多くの病気の原因になることが示唆されており、それらの病気を予防するために抗酸化作用のある物質を摂取することが有効だと言われています。黒にんにくから抗酸化作用が見いだされたことは黒にんにくの健康食品や医薬品などへの活用が期待できますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここでは、黒にんにくの効果・効能についてご紹介しました。黒にんにくと白にんにくとでは含まれる成分が異なりますので、当然持っている効能も異なります。黒にんにくを含むサプリメントなどを選ぶ際の助けになればと思います。

参考文献

[1] Lee, Hyun-Sook, Seung-Taek Yang, and Beung-Ho Ryu. "Effects of aged black garlic extract on lipid improvement in rats fed with high fat-cholesterol diet." Journal of Life Science 21.6 (2011): 884-892.

[2] Lee, Young-Min, et al. "Antioxidant effect of garlic and aged black garlic in animal model of type 2 diabetes mellitus." Nutrition research and practice3.2 (2009): 156-161.