にんにく卵黄の効果・効能について

今回紹介するのはにんにく卵黄の効果・効能についてです。にんにく卵黄は、にんにくと卵黄を混ぜ合わせたもので、疲労回復などに効果があるとして、日本で伝統食品として食べられてきました。以下では、そんなにんにく卵黄を食べることで得られる健康効果などをご紹介していきます。

にんにく卵黄とは

にんにく卵黄は、日本の九州などで親しまれてきた伝統食品です。にんにくと卵黄という、それら単体でも非常に栄養価の高い食品を混ぜ合わせることで作られます。卵黄は、にんにくの持つ悪い影響、たとえば、胃腸障害を起こしたり、口臭や体臭の原因になったりするなどを緩和する働きをしています。また、にんにくに栄養価を添加する役割を担っています。

にんにく卵黄の効能

ここからはにんにく卵黄の持つ効果・効能についてご紹介していきます。にんにく卵黄を食べることで、次の3つ、体脂肪を減少させる効果、血圧を下げる効果、疲労を回復させる効果が期待できます。以下で順に紹介していきます。

体脂肪を減少させる効果

にんにく卵黄には、体脂肪を減少させる効果があるとされています。これは、学術雑誌「新薬と臨牀」に2009年に発表された論文に根拠があります[1]

この研究は、にんにく卵黄食品の摂取を希望する人22名を対象に行われました。この参加者を、にんにく卵黄を摂取するグループと、プラセボ薬(偽薬)を摂取するグループとに分け、試験期間終了後の体脂肪量などを比較しました。

その結果、にんにく卵黄を摂取したグループでは、そのグループに割り当てられた11名の体脂肪量の平均値が減少していたとのことでした。また、内臓脂肪量や皮下脂肪量も同様に減少していたとのことです。これらのことから、にんにく卵黄には、体脂肪を減少させる効果があることが明らかになりました。

この体脂肪減少効果は、にんにくが持っている成分のアリシンによるものだと考えられます。アリシンは、にんにくに多く含まれる成分で、チアミンという、炭水化物の代謝を促進するビタミンの吸収を良くする働きがあります。そのため、にんにく卵黄を食べることで体の中でチアミンが良く働くようになり、炭水化物の代謝が良くなった結果、それが体脂肪の減少につながったのではないかと考えられます。

血圧を低下させる効果

また、にんにく卵黄には、血圧を低下させる効果があるとされています。にんにく卵黄の血圧低下作用を検証した研究が日本人を対象に行われています[2]

この研究は、高血圧の患者と、高血圧になりかけの予備軍の合計81人を対象に行われました。高血圧の患者と、予備軍の患者で、それぞれでにんにく卵黄を摂取するグループと、プラセボ薬を摂取するグループとに分けました。そして、12週間にわたってにんにく卵黄やプラセボ薬を摂取してもらい、その後の血圧の変化を観察しました。

その結果、にんにく卵黄を食べたグループは、プラセボ薬を摂取したグループと比較して、収縮期血圧(上の血圧)が高血圧予備軍の患者で6.6mmHg、高血圧患者で7.5mmHg低下していました。また、拡張期血圧(下の血圧)も高血圧予備軍の患者で4.6mmHg、高血圧患者で5.2mmHg低下していました。

このような結果が得られたのは、にんにくに含まれるメチルアリルトリスルフィドによるものだと考えられます。この成分は、にんにくの独特のにおいを作り出している成分で、血液が固まるのを防ぎ、血栓ができるのを予防する効果があるとされています。そのため、血液の巡りが良くなり、血圧が下がり、高血圧を改善したと考えられます。

疲労を回復させる効果

にんにく卵黄には、疲労を回復させる効果があると言われています。これは、2016年に学術誌「薬理と治療」[3]において報告されました。

この研究は、80人の男女を対象に、12週間の実験期間を設定して、にんにく卵黄を摂取することでの疲労回復効果を検証するために行われています。恣意的な誤差が混入するのを防ぐための無作為化、バイアスがかかることを防ぐための二重盲検化、プラセボ効果を考慮するための研究デザインのもとで行われました。対象グループは、1日に376mgのにんにく卵黄の粉末を摂取しました。

その結果として、にんにく卵黄を摂取し始めて12週間後には、プラセボ薬を摂取していたグループよりも、統計学的に有意に疲労感が軽減していたとのことです。

この結果は、にんにくの持っているアリシンや、卵黄に含まれる栄養素が寄与したためと考えられます。先でも紹介しましたが、にんにくが持っているアリシンという成分は、チアミンと結合してその吸収や働きを良くします。チアミンは、代謝系のクエン酸回路と呼ばれる回路を円滑に回すために必要なビタミンです。この回路は、栄養素からエネルギーを生み出すために使われる回路で、これが円滑に回らないと必要なエネルギーが十分に産生されないため、疲労を感じることもあります。この回路を円滑に回す働きをにんにくや卵黄が果たしたため、疲労感が軽減したのではと考えられています。

まとめ

今回は、にんにく卵黄の効果・効能を解説しました。にんにく卵黄には、体脂肪を減少させる効果、血圧を低下させる効果、疲労を回復させる効果がありました。ここで紹介した以外にも、様々な効果・効能がにんにく卵黄にはあります。ぜひ、参考になさってください。

参考文献

[1] 柿野賢一, et al. "血圧, LDL コレステロール, 体脂肪および眼精疲労に対する 「にんにく卵黄 (229-55)」 摂取の効果と安全性." 新薬と臨牀 58.11 (2009): 2019-2029.

[2] Nakasone, Yasushi, et al. "Effect of a traditional Japanese garlic preparation on blood pressure in prehypertensive and mildly hypertensive adults." Experimental and therapeutic medicine 5.2 (2013): 399-405.

[3] 仲宗根靖. "疲労を感じている男女成人におけるニンニク・卵黄配合食品の疲労改善効果―無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―." 薬理と治療 44.4 (2016): 583-592.